若松選手
その2
全日本選手権大会 ~ 若松選手, 25 度目の正直 !!
【ma-.】では, いよいよ今回優勝された全日本珠算選手権大会について伺いたいと思います。まず, この大会への思い入れというのでしょうか, この大会に対する思いをお聞かせください。
【若松】思い入れは特別なものがあります。珠算誌サンライズに書いたことと重複してしまいますが, 中 1 から出場し続けている一番好きな大会で, 夏は全日本と共にあるという感じです。
開会式では必ず涙が出そうになるし, 一年で一番好きな時期は全日本を迎える 7 月末~ 8 月頭です。
(注)月刊珠算情報誌「サンライズ」については, http://soroban.us/index88.htm を参照してください。2011 年 10 月号に, 全日本で優勝した若松君の特集記事が組まれています。
【ma-.】「長く出場していること」以外に「全日本のこんなところが特別だと思う」というところってありますか?
「そろばん日本一」を表示する巨大スクリーン
オープニングでは, ここに全参加者の名前が表示される
【若松】大会自体の長く続く歴史, それが蓄積された会場の雰囲気, 絶妙な難易度, 最高のオープニング, 真夏の開催, すべてが特別で指導者にとっても選手にとっても憧れの場所ですよね。
【ma-.】ほほう。私は参加経験はありませんが, 映像を見る限り確かに赤絨毯とかが妙に印象に残りますね(笑)。オープニングも, 単に選手名が羅列されるだけとは言え, あの荘厳な BGM は反則です(笑)
で今回, そういう大会で初優勝されたわけですが, どんな気分でしたか。
【若松】もちろん最高の気分でしたが, 私なんかでいいのかなとも思っています。
ただ, 前世か何かで沖縄に縁があるのかなというくらい, 妙にしっくりきていました。いつもカジュアル気味な格好で大会に出てしまうのですが, 今回は割とフォーマルだったのも何か予感めいたものがあったのかもしれません。
【ma-.】練習では満点を取ったことがないということを風の噂に聞きましたが, 本当でしょうか。
【若松】ありますよ~! 何回かは秘密です。
【ma-.】えーと, 質問は変わりますが, 練習で満点は何回取ったことがあるんですか?(笑)
【若松】あんまり無いです。はい, 次の質問行きましょう!
【ma-.】あはは……(汗)
今回, 優勝ももちろん凄いのですが, 満点での優勝でした。今回, なぜ満点を取ることができたと思いますか。
【若松】難しい質問ですが, この日にピークを持って行って, ポジティブなイメージを持って, 自分を信じて, 楽しんでやれたからですかね。当たり前ですが, じゃあそれを今後常にやれるかと言われたら, そう上手くはいかないでしょう。
そろばんに限らず, 競技って難しいですよね。
【ma-.】そうですね。私の場合, 中学生とか高校生の時は本番に強く, 奇跡的な満点とか取ったことがありますが, 最近は全然逆で悩んでたりします。
若松君の場合, そういった, 本番に強いとか弱いとか, 自分で意識したり気づいたりしたことってありますか?
会場風景。でかっ!
【若松】子供の時は, 練習でも取ったこと無い点を取るとか, 良くありますよね。
私は, 本番に強いか弱いか良く分からないです。全日本でいうと, 平成 15 年から 21 年までひたすら本番の点数が下がり続けるという謎の時期がありました。練習の平均点よりも, 4, 50 点低かったです。でも, 何か足りないものがあるんだろうと思い, あきらめる気はサラサラ無かった。
【ma-.】「何か足りないものがあるんだろう」ですか……深いですね。
で, その「足りないもの」は, もう見つかってますか?
【若松】きっと, 見つかってはいないでしょう。たまたま調整が上手くいったのかもしれないし, 5 月にあった JR 事故で一段強くなったのかもしれない。大会後に控えていた余興のせいで余計な力が抜けていたのかもしれないし, 自分と沖縄が合うのかもしれない。要因は複合的でなんとも……。もし見つかったのなら, 今後ずっと高得点を出し続けるということでしょうからね……
24年前の若松選手
(注)若松選手は, 2011 年 5 月 27 日 21:55 頃に起きた JR 北海道の脱線事故車両(JR北海道釧路発札幌行き特急スーパーおおぞら14号)に乗っていたのです!
産経記事→ http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110528/dst11052801520008-n1.htm
YouTube道新動画→ http://www.youtube.com/watch?v=5nbMk4tuuvw
【ma-.】一体, どうやったら本番に強くなれるんですかね?
【若松】私も(本番に)強くは無いですが, 「何点取れなかったらどうしよう」ではなく, 「何点取ったらカッコイイ」というポジティブな考え方は大切でしょうね。
イチロー選手は, 「打率を考えると打席に入るのが怖くなるので, ヒットの数を積み上げるというように考える」といったことを以前言っていました。物事は, 考えようによってどうにでもなりますよね。
そして, 現在の若松選手